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2025/08/29 14:12
HUMのこだわり ― 手縫い仕立てについて
HUMでつくる革製品は、すべて 一針一針の手縫い によって仕立てられています。
効率だけを考えればミシン縫いの方が速く正確に見えるかもしれません。
それでもあえて「手縫い」にこだわるのは、
そこにしかない強さと温もりがあるからです。
🧵 サドルステッチ ― 受け継がれる伝統技法
HUMの革製品では、古くから馬具づくりにも用いられてきた サドルステッチ を採用しています。
2本の針を両側から交互に通して縫い進めることで、縫い目は強く結び合い、片側の糸が切れてもほつれにくいのが特徴です。
手縫いは理論上、ミシン縫いに比べて約4倍の強度があると言われています。



手縫いは1つの穴に左右から糸を通して交差させるため、穴の中で糸がしっかり絡み合う構造になります。
そのため、上糸が下糸を吊り上げて縫い合わせるミシン縫いに比べ、ほつれにくく丈夫に縫えるのです。
🔨 道具から生まれる美しさ
専用の道具を使うことで、仕上がりにもHUMらしい表情が宿ります。
•菱目打ちで刻まれる、均一でリズムのある穴
•蝋引きした糸が織りなす、ほのかな光沢
•そして 手の力加減によって生まれるわずかな揺らぎ
これらが組み合わさって、機械にはない「人の手跡」が革に刻まれていきます。



✨ HUMが手縫いにこだわる理由
1. 長く使える強さ
使い込まれた革製品を見たとき、「ボロ」と「味」を分ける大きな違いは、糸が切れていないかどうかにあると思っています。
ステッチがしっかり残り続けることで、革は「ボロ」ではなく「味」として美しく育っていきます。
2. 表情のある仕上がり
一針ごとにかかる微妙な力の違いが、ステッチにわずかな揺らぎを生みます。それが「手仕事の証」となり、温かみを感じさせます。
3. 持ち主に寄り添う一品へ
何年も使ううちに革が馴染み、手縫いのステッチも味わいを増していきます。

💡 まとめ
手縫いは決して効率の良い方法ではありません。
ですが、ひと針ごとに想いを込めて仕立てることで、製品は「ただの道具」ではなく 長く付き合える相棒 になります。
HUMが手縫いにこだわるのは、革を愛するお客様に「時間と共に深まる喜び」を感じていただきたいからです。